大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)3018号 判決

按ずるに本件起訴状によれば「被告人自ら原判示配給所において原判示購入通帳を同所係員に示して原判示主要食糧を不正受配した」旨記載されているのに拘らず原審は訴因を変更することなく「被告人はその妻内野照子等をして購入受領せしめたものである」と認定していることは所論の如くであり、論旨はこの点を非難し原審は結局刑事訴訟法第三百七十八条第三号にいうところの審判の請求を受けない事件について判決をしたものであると主張するけれども起訴状記載の公訴事実第一を原判示第一の如く認定してもその公訴事実の同一性はすこしも害されていないことは疑のないところであり、その異るところは被告人自らが原判示配給所において不正受配したか他人をして受配せしめたかの点のみであり、審判の対象自体にはなんらの変更はなく原判決は単にその不正受配の方法の説明を具体的に詳記したのに過ぎないのであつて、かくの如く社会的現象と観察してもまた法律的構成の上からみても同一視すべき場合には訴因に変更はないものと解するのが相当であり、本件公訴事実を原判示の如く補正して認定したからとて被告人の防禦権に実質的な不利益をもたらすものとは認められない。従つて原判決には審判の請求を受けない事件について判決した違法もなく、また原審の審理には判決に影響を及ぼすこと明らかな訴訟手続の法令違反もない。それゆえ論旨は理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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